2006.4
   「この街で」
 
窓の下に見えるのは
これからぼくらが暮らす街

広い海 大きなビル
走る車がとっても小さく見えて
まるでミニカーの行進みたい

でも どこを見ても緑がない
昨日まで住んでいた町には
いつだってぼくらの目の前に
大きな大きな山がどんと構えていたんだ

はしゃいでいた小さな弟が
急にこわいこわいと泣き出した
大きな方の弟はお別れにもらった
ぬいぐるみを抱っこしたまま何も言わない

ぼくだって本当はさびしいんだ
友達やばあちゃんたちと離れたから
だけどぼくはお兄ちゃんだから
泣くわけには行かないんだ

知らない人ばかりのこの街で
ぼくが弟たちを守っていくんだ
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html : A Moveable Feast