2006.4
   「南の島」
 
太陽のにおいの風が鼻先をかすめた
いつも触れている風とは匂いも温度も違う
身体の奥から蘇ってくる 幼き日の記憶

写真の中の幼い私は 
無邪気に笑うことしか知らなくて
汚い感情なんか抱く由もなくて
それは大人になればなるほど
私の中から消えていったもの


山育ちの私の中に
半分だけ眠る海人(うみんちゅ)の血
遠く離れたもうひとつのふるさとは
楽園と称された南の島


あの島へ行きたい
十数年帰らなかったあの島へ


あの時はただ景色としかうつらなかった
さまざまな青の色彩は
疲れた大人に成り下がった
私の瞳と心にどんなふうに映るのだろう
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